1. ホーム
  2. カードローン・キャッシング
  3. 返済まとめ
  4. ≫家族(他人)が借りた借金も肩代わりで返済すべきなの?

家族(他人)が借りた借金も肩代わりで返済すべきなの?

借金についてのよくある悩みのひとつに「家族の借金を肩代わりする必要はあるの?」という疑問があります。

例えば、

  • 夫や妻が多重債務者になった
  • 親が亡くなったことをきっかけに多額の借入が明らかになった
  • 子供が開業するために借金をしたけれど、事業が失敗して負債だけが残った

ある日突然、身に覚えのない支払い請求が家族の元にやって来たら困りますよね。

その借金分は、家族や夫婦だからといって肩代わりして返済しなければならないのでしょうか?
当サイト編集部がご説明いたします!

家族の借金を肩代わり?

家族という関係性だけでの返済義務はなし!

銀行カードローンや消費者金融、クレジット契約をはじめとした金銭貸借についてはトラブル防止のため、細部まで法律で定められています。

などの法律です。

こういった法律の中に、家族の借金は返さなければならないという条文はありません。
単純に「親族であるから」ということだけが理由で、借金を肩代わりする義務は生じないのです。

どんなに闇金業者などの債権者側が強く出てきたり脅しにかかってきたりしても全く心配はいりません。
その請求は無効ですし、支払いをしなかったからといって何らかの処罰があるわけでもありません。

逆に無理強いすれば、債権者の方が法令違反を犯すことになります。
なので、堂々と要求を拒否してよいというわけです。

債務者が自分の子供や配偶者など、近しい関係性の親族であったとしても変わりません。

こんなケースも法令違反

例えば、ご家族の誰かが消費者金融でお金を借りて滞納してしまっている場合、金融機関や業者から何度も督促の電話がかかってきます。

その際に、督促係の人と「どのようにして返済していくか?」ということを話し合いすることになるのですが、向こうから「ご家族の方から借りられないですか?」とさりげなく提案されることがあります。

ですが、この提案は上記の法律に従っていないので、厳密には法令違反です。
もちろんお金を借りた方にとっては、家族から借りてでも借金を返した方が信用情報を傷つけないという意味で良いに違いありません。

ですが、法令遵守という観点からすると、それは違反なのです。

ただし、保証人や連帯保証人になってしまっていると、少し話は変わってきます。

例外的に返済義務のある3ケース

前項で「親族であるという関係だけで」の返済義務はないと説明しました。
ここからは、債権者と契約を交わしたため返済義務が発生してくるケースについて詳しく解説していきましょう。

それは、

  1. 保証人
  2. 連帯保証人
  3. 連帯債務者

の3つのケースです。

(1)保証人の場合

保証人とは「債務者を保証する人」です。
もしも債務者が支払いできなくなった場合、債権者は保証人に請求することができます。

ただし、保証人には次のような権利も認められています。

【催告の抗弁の権利】
債権者がいきなり保証人あてに弁済を求めてきたときに、「先に債務者本人に請求してくれ」と、それを断ることができます。

【検索の抗弁の権利】
債務者が返済できるだけの資力を持っているのにもかかわらず返済を拒否し、その結果債権者が保証人の財産を差し押さえようとしたときに、「先に債務者の財産を確認してからにしてくれ」と要求することができます。

(2)連帯保証人の場合

保証人よりもずっと思い責任を負わされているのが「連帯保証人」です。

債務者が支払いできなくなった場合、債権者から請求を受ける点は保証人と同じですが、連帯保証人には上記のような保証人が持っている権利がありません。

つまり、債権者が債務者の資力を確認しないまま、いきなり「代わりに支払え」と請求を突き付けてきたとしても、言われるがままに弁済しなければならないのが連帯保証人なのです。

そればかりか、債権者自身に返済できるだけの資力があるのに返済を拒否しているようなケースであっても、弁済請求が来たら応じなければならないのです。

現状では「借金の保証人」といった場合は、この連帯保証人であることがほとんどです。

(3)連帯債務者

最後に、この3ケースの中では最も責任の重い「連帯債務者」です。

保証人や連帯保証人はあくまでも債務者を保証する立場ですが、連帯債務者は借り入れをした本人と全く同じ「債務者」の立場になります。

債権者は、

  • 債務者本人
  • 連帯債務者

どちらにでも返済を迫ることができます。

また、債務者本人が返済できなかった場合は、連帯債務者は本人の代わりとなって完済まですべての責任を負わなければなりません。

返済義務のまとめ

債務者が生きており、その家族に返済義務が生じるのは、以上の3ケースに該当している場合のみになります。

また、これらの契約は、

  • 債権者-保証人(連帯保証人・連帯債務者)間

の契約であり、

  • 債務者-保証人間

の契約ではありません。

このため、債権者と書面での契約をしていない限りは、債務者が「家族なんだから肩代わりしてくれ!!連帯保証人のようなものだろう!」とどんなに懇願してきても、支払い義務は生じません。

3ケースすべてにおいて責任の生じる立場であるため、契約は口約束ではなく、契約内容の詳しい説明、本人確認や契約書への自署捺印など、手続きを踏んで行われます。

家族の保証人になっていることを、本人が知らないということは通常起こりえません。

もしも身に覚えのない連帯保証人にされていたら

万が一、知らない間に身に覚えのない借金の連帯保証人などにされていた場合は、請求が来ても絶対に支払わず、すぐに弁護士に相談してください。

債権者が勝手に実印の変更を行うなどして書類を偽造し、連帯保証人契約をした場合には、詐欺罪や公正証書原本不実記載などの刑事事件となる可能性があります。

連帯保証人の注意事項

身に覚えがなかったとしても、いったん少しでも払ってしまうと、連帯保証人であることを自ら認めたということになります。

これは追認といい、その後連帯保証人の義務が発生してしまう恐ろしい制度です。

金融業者の中には家族に支払い義務のないことを知りながら返済を要求してきて、「1円でもいいから払ってくれ」と迫ってくる業者もありますが、追認の落とし穴にはめようとしている悪徳な罠です。

1円たりとも決して支払ってはなりません。

相続が絡んだ場合はどうなる?

前項では、「債務者が生きている場合」の家族の支払い義務について解説しました。
では、債務者が死亡している場合はどうでしょう。

親の隠れ借金などが死後に明らかになるケースなどはよくありそうなものですが、すべて肩代わりしなければならないのでしょうか?
ここからは、遺産相続が絡んでくる3つのケースを見ていきましょう。

(1)単純承認

相続というとよいものだけ継ぐことをイメージするかもしれませんが、借金もその対象となります。

実は相続財産には、

  • 「正の財産(現金、不動産、有価証券など)」
  • 「負の財産」

があります。

借金は負の財産であり、れっきとした相続対象なのです。

単純承認とは相続のしかたのひとつで、「正の財産も負の財産もすべて相続すること」です。
借金は個人から遺族へ引き継がれ、遺族に支払い義務が生じます。

複数の遺族がいる場合は、分割の内容は遺族間の協議で自由に定められます。
借金が少額な場合はこちらで十分対応可能でしょう。

(2)相続放棄

借金が多額で、遺族の資力で支払えない場合は、相続そのものが遺族にとっての不利益になることがあります。
こうした場合を想定して定められているのが「相続放棄」です。

これは、「正の財産も負の財産もすべてひっくるめて、引き継ぎを放棄すること」を指します。

相続放棄をする場合、故人の死去から3か月以内に家庭裁判所へ申し出を行わなければなりません。

この期間を過ぎてしまうと相続放棄はしないものをみなされ、単純承認をしたことになってしまいますので要注意です。

また、相続放棄で一番注意しなければならないことは、放棄された財産は代わりに誰かが引き継ぐ必要があることです。

配偶者と子供が相続放棄を行うと、その下の相続順位である個人の両親(祖父母)へ相続が発生します。

両親がさらに放棄したら、本来は相続人でなかった個人のきょうだい(兄弟・姉妹)に相続が発生してしまい、借金の返済義務もそちらに移行してしまいます。

これを避けるため、相続放棄をするときは親族が全員で行う必要があります。
配偶者、子、両親、きょうだいのすべてが放棄すれば、それ以上の相続はなくなり、相続放棄が完了します。

(3)限定承認

限定承認は、「正の財産で負の財産を相殺し、その範囲で相続をすること」です。
債権者と相続人との間で協議がもたれ、「任意売却などの方法で借金を支払って、残った財産を相続する」というような方法がとられています。

相続人全員で家庭裁判所に申し立てる必要があるため、手続きは煩雑です。
条件の狭さなどもあいまって、実際にはあまり運用されていません。

債務者がなくなってしまっている場合は、残された正の財産と負の財産、そして相続人の資力などを比較しながら、最もバランスの良い方法をとることが大切です。

さらに、どのような方法をとるにしても親族すべての合意が前提となりますので、十分に話し合って最善の策を取りましょう。

未成年者が借りた借金は?

それでは未成年者が勝手にしてしまった借金を、親が返す必要はあるのでしょうか?

未成年の場合

これまでの話の流れでは「返す必要性なし」なのは間違いないのですが、未成年者の場合は理由が少し異なってきます。

そもそも貸金業者は、親権者(法定代理人)の許諾無しに未成年者にお金を貸すことができません。

ですから、勝手にお金を貸し付けた時点で、その行為は違法であって、返済の必要も生じないのです。
これを「未成年者契約の取消権」と言います。

取消権の例外

ただし、以下の場合は未成年者契約の取消権を主張できません。

  • 未成年者が結婚(婚姻)している
  • 自分が満20歳以上であると詐称して契約した

1円でも支払ってくださいに注意!

上記の保証人のところでも書きましたが「1円でもいいから支払ってください!」と貸金業者に言われることがあります。

もし親が支払ってしまうと、子供の借金を認めたことになってしまって返済義務が生じることになってしまいます。

この点、知らないと「1円くらい」と払ってしまいがちですのでお気をつけ下さい!

編集部まとめ

「人様に迷惑をかけない」というのが、昔からの日本人的な道徳観だと思います。

なので、特に親は子供が作った借金ならば、人道的な観点から返済してしまうという方もたくさんおられると思います。

ご自分の意思で行うのは良いことだと思いますが、法律的にはその義務はありませんので、嘘や詐欺的に返済を肩代わりさせられることのないように、それだけはお気をつけください。