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総量規制とは?(対象外・除外・例外の違いもバッチリ!)

消費者金融の厳しい取り立てが最後に問題になった2000年前半以降は「業界の健全化」と「過剰貸付け禁止」の方向に向かってきています。

その流れで、2006年12月に改正貸金業法が成立し、そこで決まった施策が2010年6月18日までに段階的に施行されていきました。

その中の一つが消費者保護を目的とした「総量規制」という、業界を揺るがす大きな変化です。

総量規制とは?

総量規制とは?

簡単に言ってしまうと「個人で行う借入れの合計が、その人の年収の3分の1を超えてはいけない」というルールが総量規制です。

例えば、年収600万円の田中さんが、A社(消費者金融)から50万円の借入れを行うとします。
しかし、田中さんはA社から既に40万円を借りており、B社から60万、C社からも60万借りていたとします。

すると、
A社今回分(50万)+A社借入残高(40万)+B社(60万)+C社(60万)=210万円
となります。

田中さんの借入れ 業者 合計額
A社(1回目) 40万円 40万円(OK)
B社 60万円 100万円(OK)
C社 60万円 160万円(OK)
A社(2回目) 50万円 210万円(???)

ですが、年収600万円の田中さんの上限は3分の1の200万円なので、それ以上は借りられません。

今回の分を合算すると田中さんの借入合計額が210万円となり上限を超えてしまい、A社からの追加融資は受けられないというのが総量規制になります。

年収の3分の1まで

上記の例はA社2回目となっていますが、

  • D社から50万円借りる場合でも
  • D社から30万円、E社から20万円借りる場合でも

結果は同じになります。

目的

総量規制の目的は、申込者の返済能力以上に貸付けを行わないようにすることですね。
それによって多重債務者や年間自殺者を減らそうという、政府の狙いがあります。

年収の定義

先ほどから「年収3分の1」と書かれていますが、ここで言う年収とは何を指すのかというと、

  • 給与、賞与
  • 年金
  • 恩給
  • 定期的な不動産の賃貸収入(事業の場合は別)
  • 安定的に得ている年間の事業所得

のことです。

よくある質問に「年金生活者はどうなるの?」というものがありますが、上記の通りに年金は年収に入ります。

ちなみに、ギャンブル(パチンコ、競馬)や宝くじで得た臨時収入は年収には入りません。

収入証明書が必要になる場合

「年収の3分の1まで」という変更以外に、ある一定の金額以上の借入れ時に「収入証明書の提出が必要になった」という変化も加わりました。

具体的には、

  • 1社で50万円以上借りる場合
  • 複数の業者からの借入れが100万円を超える場合

は審査時に収入証明書の提出が必須となりました。

これも「過剰貸付け禁止」の方向性が反映された動きですね。

収入証明書(所得証明書)とは、主に、

  • 給与明細書
  • 源泉徴収票

のことを言います。

個人過剰貸付契約

総量規制のことを「個人過剰貸付契約」と言うこともあります。

個人顧客合算額

個人の借入合計額のことを「個人顧客合算額」と言います。

総量規制の対象となるローン

総量規制のややこしい点は、貸金業法による取り決めの為、全ての借入れが対象となるわけではないことです。

お金を借りる関連の法律は、業種によって、

  • 貸金業法:消費者金融、キャッシング
  • 銀行法:カードローン
  • 割賦販売法:クレジットカードのショッピング枠

などの異なる法律によって規制されています。

総量規制は貸金業法の為、対象となる借入れの種類は、

  • 消費者金融でのキャッシング
  • クレジットカード(信販会社)のキャッシング枠

となります。

つまり上記でお金を借りる場合は「年収の3分の1」という縛りが発生してきます。

対象外となるのは?

反対に総量規制の対象外となるのは、

  • 銀行のカードローン(※銀行法が適用)
  • クレジットカードのショッピング枠(一括、分割払い、リボ払い、ボーナス払い全て対象外※割賦販売法が適用)
  • 信用金庫
  • 労働金庫
  • JAバンク(農協)
  • 法人貸し付け、法人向け保証、個人向け保証

となります。

ややこしいのはクレジットカードですね。クレジットカードには、

  • ショッピング枠(割賦販売法)
  • キャッシング枠(貸金業法)

がありますが、上記の通りキャッシング枠のみ総量規制の対象となります。

消費者金融はダメで銀行カードローンはOKなの?

よほど詳しい方でなければ、

  • アコムやプロミス、モビットなどの消費者金融(キャッシング)
  • 三菱東京UFJ銀行等の銀行系カードローン、レイク

の違いはよくわからないと思います。

カードローンとキャッシング、消費者金融の違いは?でも書いたように、実際どちらも同じキャッシングとして利用している方が大半です。

ですが、銀行系カードローンの方には総量規制が適用されません。
この点については、消費者金融側から「利用者の返済能力が同じなのに貸せる貸せないが異なるのは不公平だ」という不満の声があがっているのが問題点となっています。

また、問題点と言えば、総量規制によって消費者金融から借りられなくなった人が、生活資金にも困ってしまい、危険を承知でヤミ金などの違法な貸金業者に走ってしまうという可能性も指摘されています。

消費者金融の大手がシェアを伸ばす結果に

利用者の方の年収の相場は300万円ほどと言われています。
ですから、3分の1までしか借りられないということになると、単純な計算で最大100万円までしか借りれないことになります。

利用者の心理としては、「とりあえず大手から借りたい!」というものが働きますので、

  • アコム
  • プロミス
  • モビット

などの有名なところで借り始めます。

そして一通り大手で借りたら総量規制によるリミットがきてしまうので、中小消費者金融が利用されなくなってきているようです。

つまり、大手の消費者金融の売上高のシェアが、総量規制前よりも高まってきているということですね。

今後、中小消費者金融の生き残りは難しくなっていき、また業界再編が活発になることもあるかもしれません。

除外について

総量規制には「除外」という特例があります。
下記の項目にかかるお金は、個人顧客合算額に加えず除外することができます。

例えば、住宅ローンが総量規制の対象となったら、あっという間に年収の3分の1を超えてしまいますよね。

なので、このように「除外」という仕組みが用意されています。
具体的には、下記の「住宅資金貸付契約等」については総量規制から除外されます。

  • 住宅ローンなどの不動産の建設や購入、改良にかかる費用
  • 自動車ローン
  • 高額療養費の為の資金
  • 手形割引
  • 有価証券を担保とした貸付
  • 不動産担保貸付け(居宅など生活維持に必要なものは除く)
  • 投資信託受益証券担保ローン(500万円超)

例外について

今後は総量規制の「例外」についてです。
除外の場合は個人顧客合算額に金額を加算しませんでしたが、例外の場合は加算するという点が大きな違いです。

ですが、例外が認められている分に関しては、年収の3分の1を超えても借入れすることができます。
なので、除くのではなく「例外」とされています。

具体的には、

  • 配偶者の年収を合わせる場合(配偶者貸付け:2人の合計年収の3分の1まで)
  • 緊急に必要な医療費(急に必要なものに限り、高額医療費は「除外」扱い)
  • 特定緊急貸付契約(本当に欠かせない支払いに対してお金が必要な場合※10万円まで)
  • 借換えローン
  • 個人事業主に対する事業用資金(返済可能な分だけ)
  • 金融機関からの借入れが決まっている方への「つなぎ融資」(返済期間1ヶ月以内)

に該当するのが総量規制の例外です。

よくある質問

年収が下がってしまった結果、3分の1以上借りてることになってしまいました。すぐに差額分を返済しないといけないのでしょうか?

これまで通りの返済ペースで大丈夫ですし、何か刑罰などの罰則を受けたりすることもありません。
ただし現状では、追加融資は審査落ちしてしまう可能性が高いので、その点はお気をつけください。

年収が0円の専業主婦(主夫)はお金を借りられないのでしょうか?

結婚している場合は、配偶者の方の年収の3分の1まで借りることが可能です。
その場合は、住民票で夫婦であることを証明し、配偶者も借入に賛同しているという同意書が必要になります。

また働いているけど年収の低い方は、世帯年収を合算した金額の3分の1までを借りることもできます。
その際にも上記と同様の書類が必要になります。

3分の1以上貸してくれる貸金業者がいます

正規の貸金業者ではなくヤミ金などだと思いますので、絶対に借りないようにしてください。
その業者は行政処分の対象となる可能性があります。

私が他社から借りている借金の額をどうやって調べているのですか?

お申し込みフォームで「他社からの借入額」を自己申告することになっていますが、貸金業者は審査の段階で別の手段でも調査しています。
実はJICCやCICなどの信用情報機関には、私たちの信用履歴(クレジットヒストリー)が登録されているのです。

それを利用して、私たちが他社からいくらお金を借りているのか?過去に延滞や滞納をしていないか?などをチェックしています。
ですから自己申告で嘘を付いてもバレてしまいますので、正直に書いた方がまだ審査通過率は高くなります。

編集部まとめ

簡単に言ってしまえば、総量規制とは「年収の3分の1までしかお金を借りられないように制限したルール」ということですね。

とは言え、大半の方は住宅ローンや車購入時を除いては、そこまで多額の借金をすることはないと思います。

なので、総量規制の意味についてザックリ押さえておけば十分ではないかと思います!