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利息制限法と出資法の差で生まれたグレーゾーン金利

金融庁や国会での議論の後に2006年に貸金業法が改正され、2010年にその改正法が施行されたことによって、ほぼ解消されたと言っていい「グレーゾーン金利」ですが、あらためてこれまでの推移を勉強してみませんか?

当サイト編集部も、今回「利息制限法と出資法」について勉強し直してみたのですが、非常に理解するのが難しいですね。

なるべくわかりやすく順を追って、噛み砕いていきますので一緒に学んでいきましょう!

グレーゾーン金利

(1)罰則の重さの違い

まず「利息制限法と出資法の違い」を理解する上において一番重要なことは、違反した時の罰則の重さが大きく異なるということです。

法律で定められた上限利率に違反した場合

  • 利息制限法:超過部分は無効
  • 出資法:刑罰

一方は無効で、もう一方は刑罰という重さです!

刑罰の内容は?

5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金(併科)

貸金業者が「最悪、出資法さえ破らなければ・・・」と考えてしまうのも当然です。

そして都合良く「出資法の上限金利の方が利息制限法よりも上」だったので、数十年もの間「利息制限法以上、出資法未満」の金利で営業活動を行われてきたのです。

これがグレーゾーン金利の正体となります!

次に上記の2つの法定利率の差が、どれくらい開いていたのか?
歴史を振り返っていきましょう!

(2)利息制限法

1954年に改正利息制限法が公布されて以降、利率は変更されていません。

金額 利率(年)
元本10万円未満 20%
元本10万円以上100万円未満 18%
元本100万円以上 15%

大体の方が「10万円未満~100万円未満」の利用になりますので、利率は18~20%に収まるはずですね。

ところが出資法というものがあったので、2010年になるまではもっと高い利率での貸付けが行われてきたのです。

(3)出資法

改正利息制限法と同じく1954年に公布されたのが問題の出資法です。
こちらは、これまで数回に渡り上限金利が引き下げられてきました。

改正のタイミング 利率(年) 補足
1954年 109.5% 公布
1983年 73.0% 貸出額が拡大
1986年 54.75%
1991年 40.004%
2000年 29.2% 量から質の時代へ
2010年 20.0% グレーゾーン解消

上記の利息制限法と出資法の表を見て、例えば2002年8万円を借りる時は利率何%になると思いますか?

  • 利息制限法:20%
  • 出資法:29.2%

ですよね。

そうなんです!この差がグレーゾーン金利と呼ばれるものだったのですね。
ちょっとわかってきましたでしょうか?

※ちなみに2010年に出資法も20%に下がりましたのでグレーゾーン解消となっています

(4)グレーゾーン金利の解説

出資法の金利が29.2%だった頃

金利の差によって生まれた歪み

例えば2010年までは、

  • 利息制限法の上限金利が15~20%
  • 出資法が29.2%

という時代でした。
※例はそれ以前の40.004%以上でも良いのですが今回は29.2%で説明します

貸金業者が恐れていたのは出資法に違反することですから「利息制限法以上、出資法未満」で貸し付けを行っていました。

その矛盾の領域のことが「グレーゾーン金利」と呼ばれていたのですね。

無効にならないの?という疑問

ここで1点疑問に感じた方がいるかもしれません。
このページの最初の方に書いた「(1)罰則の重さの違い」のところで解説しましたが、利息制限法より高い利率で貸し出した場合は「その契約は無効になる」という点です。

いくら罰則が無いからと言って、契約そのものが無効になったら意味がないのでは?
というのは、もっともな疑問なのです。

しかし、グレーゾーン金利を正当化してしまう制度が存在していました。

みなし弁済制度

それが「みなし弁済」と呼ばれる制度です。

みなし弁済とは、旧貸金業法43条で定められていた制度で、
「一定の条件をクリアしている場合は、利息制限法の上限金利を超えて貸し出したとしても(無効にはならず)有効となる」
という法解釈です。

簡単にまとめると、みなし弁済によって「グレーゾーン金利」が無効にならず、有効になっていた。
ということになります。

みなし弁済が成立する条件

  1. 登録を受けた貸金業者であること
  2. 債務者が利息を任意で支払った
  3. 貸金業規制法に則った書類があること

本当はもう少し複雑なのですが、まとめると上記のようなことが要件となります。
上記は比較的、簡単に満たしてしまえるのでグレーゾーンが一般的になってしまっていたのですね。

ただし2006年に出された最高裁判決によって、みなし弁済成立の要件は厳格化(否定)されました。

これによって次に起こった流れが「過払い金返還請求」です。
つまり利息制限法の上限金利を超えて支払った利息は無効となるので、既に貸金業者に支払っていた超過利息分に対しては「過払い金」として返還請求を行えるのですね。

これについてはまた別のページでまとめたいと思います。

今現在困っている多重債務者の方は弁護士・司法書士事務所に無料相談しに行ってみてください。
もしかしたら任意整理や自己破産などの債務整理を行うことなく、借金返済の可能性が見えてくるかもしれません。

出資法が20%になった現在

最後にグレーゾーン金利が消滅した現在の状況を紹介して終わりにしたいと思います。

出資法の上限金利が20%

出資法の上限金利が20%となったので、元本10万円未満の場合の利息制限法と同じになりました。

それでもまだ10万円以上の場合は、グレーな枠が残ってしまっていますね。
そこに関しては利息制限法の超過部分として無効なのは当然ですが、みなし弁済が適用されなくなりましたので、貸金業法により行政からの監督処分が課されることとなりました。

監督処分とは、内閣総理大臣または都道府県知事が、

  • 業務改善
  • 業務停止
  • 貸金業者の登録取り消し
  • 役員の解任

などの命令を行えることを言います。
結構、厳しいです。

長かったですが、

  • 利息制限法
  • 出資法の金利の推移
  • グレーゾーン金利
  • みなし弁済制度

についての理解の助けとなれば幸いです!

編集部まとめ

簡単に言ってしまうと、グレーゾーン金利とは「出資法と利息制限法の上限金利の差(違い)によって存在していた、合法と違法の境い目にあった金利帯」のことですね。

それが消費者金融業界が高収益を挙げることができていた理由でもありました。

ですが灰色な事は時代の流れと共に、良い方向に改善されていくのは、どの業界でも同じですよね。
長い目で見れば、それで良かったのだと編集部は思います。