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これでわかる!過払い金返還請求

消費者金融などの貸金業者に払い過ぎた利息を取り戻すことができるのが「過払い金返還請求」です。

取り戻せるお金があるのなら、取り戻したいと思うのが当たり前。

けれど、「過払い金」について聞いたことはあるけれど、実際のところよくわからない…という人も多いのではないでしょうか?

ラッキーくん

今回は、
・「過払い金」とは何か
・過払い金のメリット・デメリット
・返してもらうためにはどのような手続をふめばよいのか
・返還請求に際して注意する点
について解説します。

過払い金とは?

過払い金返還請求のブーム?

数年前にも一度ありましたが、最近になってまたCMや車内広告などで「過払い金返還請求」を促す広告を頻繁に見かけるようになりました。
いったいなぜなのでしょうか?

背景を踏まえながら説明しましょう。

▶2006年のグレーゾーン撤廃がきっかけ

2006年頃までの消費者金融全盛期、貸金の上限金利については以下のように2つの法律で定められていました。

  • 利息制限法:実質年利率15.0%から20.0%
  • 出資法  :実質年利率29.2%

グレーゾーン金利というのは、この制限利率の間(グレーゾーン)で設定された金利のことです。(グレーゾーン金利についてはこちら

貸金業者に適用される貸金業法に従えば、実質年利率は利息制限法で定められた20.0%以内に設定しなければならないはずです。

ところが、実際には、多くの貸金業者が、実質年利率29.2%でお金を貸していたのです。

当時の利息制限法には違反時の罰則がなく、貸金業法にあった「みなし弁済」という規定により、一定の条件をクリアしている場合は利息制限法の上限金利を超えることを許していたため、罰則のある出資法の実質年利率の29.2%だけが守られていたのです。

当然、これだけの高金利で借りた結果窮地に追い込まれるというケースが続出し、社会問題になりました。

そして、2006年、最高裁の判決で、「利息制限法に違反する金利で貸し付けた金利はすべて無効である」とし、グレーゾーン金利分の利息である過払い金の返還請求を全面的に認める結論が出ました。

その後、2008年から2010年にかけて貸金業法の改正が行われ、今では「みなし弁済」の規定は撤廃され、かつ利息制限法の制限を越える金利での貸付は行政処分の対象となりました。

また、出資法も改正され、出資法上の上限金利も20.0%になっています。

以前あった「過払い金返還請求のブーム」はこの2006年の最高裁判決がきっかけです。

この判例の影響で多くの利用者が過払い金返還請求を行い、その結果、当時の消費者金融大手、武富士が破産するに至りました。

▶なぜ今また過払い金返還請求の広告が増えたの?

それでは、なぜ今また過払い金返還請求についてよく見聞きするようになったのでしょうか?

それは、民法に「持っている債権を10年間使わなければ消滅する」という規定があり、最後の返済日から10年経つと過払い金を請求できなくなるからです。

つまり、違法な高金利で借りていた人が過払い金請求をできる時効が迫っているため、弁護士や司法書士が盛んに広告を打って確認を促してくれているわけです。

弁護士や司法書士の方も、いま顧客をとっておかないと、過払い金請求での仕事がほぼなくなるという点もあるでしょう。

債務整理と同じようにブラックになるの?

弁護士や司法書士に相談、というと「債務整理」が思い浮かぶと思いますが、どこが同じでどこが違うのでしょうか?

債務整理とは、消費者金融などの貸金業者から借金を重ねて返済困難になったときに、借金を減額してもらったり、支払いを猶予してもらったりする手続です。

債務整理には、裁判所を通して行う「自己破産」「個人再生」「特定調停」のほか、貸金業者と任意に交渉を行う「任意整理」も含まれます。

一方、過払い金請求とは、上記のように、貸金業者に払い過ぎた利息、つまり本来支払う必要のなかったものについて貸金業者に返還を求めることです。

▶既に完済している場合の過払い金返還請求は債務整理ではない

既に完済した借金でも、過払い金が発生していれば、過払い金返還請求ができます。

完済後の過払い金返還請求は、借金がなくなった後の話ですから、債務整理とは別のものと言えるでしょう。

ですから、信用情報に傷がつくこともありません。

▶返済中の過払い金請求は債務整理の一つ

これに対し、返済中の過払い金返還請求は、債務整理として扱われます。
というのも、返済中の借金について過払い金返還請求を行う場合には、任意整理という形で業者と交渉する必要があるからです。

司法書士や弁護士が任意整理の依頼を受けた場合には、発生している過払い金の額を計算し、その過払い金を借金の返済に充てて借金の残高を減らします。

それでも残った借金について、元本のみの分割返済を行う交渉をします。

過払い金で借金の残額を完済できないと、手続完了後5年程度は「債務整理」情報が残ることになります。いわゆる「ブラック」です。

これに対し、過払い金で借金を完済できるケースでは、手続完了後には「債務整理」情報は削除されます。

ただし、一時的にブラックになってしまうため、その間にクレジットカードの更新などのタイミングがくれば、影響が出てしまうので気をつけましょう。

過払い金返還請求のメリット

一旦支払ったお金が戻ってくる

既に完済している借金の過払い金返還請求をするメリットは、現金が戻ってくるということです。

時効(取引終了後10年)になっていなければ過払い金返還請求ができますから、思わぬ臨時収入になることがあります。

完済していれば過払い金返還請求してもブラックにはなりませんから、安心して手続ができます。

借金の負担が軽くなる

返済中の借金について過払い金返還請求をすれば、残債務が減って負担が軽くなります。

過払い金で借金を完済できるケースもあり、借金がゼロになった上にお金が戻ってくることもあります。

過払い金返還請求のデメリット

ブラックになる場合がある

完済後の過払い金返還請求は信用情報に載りませんが、返済中の借金について過払い金返還請求した場合には、貸金業者に申し入れした時点で信用情報に「債務整理」の記録が登録され、いわゆる「ブラック」状態になってしまいます。

過払い金で残った借金を完済できれば、手続き終了後にその情報は削除されますが、完済できなければ、5年程度保存ブラックの状態が続きます。

その場合は、住宅ローン、マイカーローン、カードローン、キャッシング、全ての借入がしばらくできなくなってしまいます。

専門家に依頼する必要がある

返済中の借金について過払い金返還請求する場合には、弁護士や司法書士に依頼しなければ手続できません。

完済後の過払い金返還請求の場合にも、多くの額を返してもらうためには業者との交渉が必要ですから、弁護士・司法書士に依頼した方が良いことになります。

そのため、過払い金返還請求をするためには、弁護士・司法書士に支払う報酬を用意しなければなりません。

手続後の借入に影響が出ることがある

過払い金返還請求をして返金を受けたということは、貸金業者との最初の契約どおりに支払わなかったということです。

違法な金利だったということが認められたとはいえ、貸金業者から見れば、約束を守ってもらえなかった訳ですから、同じ業者から再び借り入れるのは難しいようです。

同系列の金融機関からも融資が受けにくくなる可能性がありますから、注意しましょう。

過払い金返還請求をスムーズに行うために

過払い金返還請求は専門家に依頼

過払い金返還請求は、専門家(弁護士または司法書士)に依頼して手続してもらうのがおすすめです。

特に、返済中の借金について自分で過払い金返還請求をするのは事実上不可能ですから、弁護士・司法書士に依頼しましょう。

過払い金返還請求の流れ

過払い金返還請求を弁護士・司法書士に依頼した場合の手続の流れは以下のようになります。

▶1.受任通知を発送

弁護士・司法書士は、貸金業者に受任通知を発送し、同時に取引履歴の開示を請求します。

返済中の借金の場合には、貸金業者に受任通知を送れば、手続完了までの間返済をストップすることができます。

受任通知を送った後は、貸金業者からの取り立てを受けることもありません。

▶2.過払い金の計算

貸金業者から開示された取引履歴をもとに、利息制限法による引き直し計算を行います。

取引履歴は契約上の金利で利息計算されていますから、これを法定金利(15~20%)で計算し直し、過払い金の額を確定します。

▶3.過払い金請求書を送付

貸金業者に対し、過払い金請求書を送って過払い金の返還を請求します。

▶4.貸金業者と交渉

貸金業者から返還額の提示があります。

全額返してくれるかどうかは業者によって対応がまちまちですので、なるべく多くの額を返還してもらうよう電話や書面により交渉を行います。

交渉がまとまらない場合には、裁判を起こすことができます。

▶5.合意書を作成

過払い金の返還額、返還期日が決まれば合意書を作成します。

▶6.過払い金の入金

貸金業者から双方合意した返還額の振込があります。

過払い金返還請求ができないケース

既に時効になっている場合

過払い金を返してもらう権利は、民法上の「不当利得返還請求権」に該当し、10年で時効になります。既に時効になっていれば、過払い金を返還してもらう権利自体が消滅しているということですから、過払い金返還請求はできません。

なお、過払い金返還請求の時効の起算点は、最後の返済日とされています。

貸金業者との契約が10年以上前であっても、最終返済日から10年経過していなければ、過払い金返還請求ができます。

ただし、途中で一度完済している場合には、その時点で取引の分断があったとみなされ、完済以前の過払い金は時効で戻ってこないことがあります。

借りた会社が倒産している場合

過払い金がある会社が既に倒産してしまっている場合には、過払い金返還請求はできません。

倒産した貸金業者で有名なところには、武富士があります。
武富士に対しては、もはや過払い金返還請求はできません。

なお、会社が倒産しても一定期間は過払い金返還請求ができますから、その間に請求すればお金が戻ってくる可能性はあります。

けれど、この場合には、過払い金が返還されても、非常に少額になってしまいます。

違法業者から借入した場合

貸金業を営むには都道府県に貸金業の登録が必要です。
しかし、実際には、登録せずに高金利の貸付を行っている「ヤミ金」と呼ばれる違法業者があります。

ヤミ金からお金を借りてしまった場合、契約自体が無効になりますから、返済する義務がありません。

ヤミ金に返済してしまった場合には、過払利息だけでなく、通常の利息分や元本も返還を請求できます。

けれど、ヤミ金は実態がわからないことが多く、実際には裁判などの手続を経てもお金の取り戻しは困難になっています。

ヤミ金相手に過払い金返還請求を考えるなら、ヤミ金に強い弁護士などに相談するのがおすすめです。

依頼するのは弁護士?司法書士?

過払い金返還請求の手続を依頼できる専門家は、弁護士・司法書士のみになります。
弁護士・司法書士以外で過払い金返還請求を代行してくれる業者があれば、違法業者ということになります。

弁護士と司法書士の違いは?

弁護士の場合には、基本的にどの弁護士でも、代理人として過払い金返還請求の手続きや貸金業者との交渉ができます。

一方、司法書士の場合、過払い金返還請求の代理人となることができるのは、認定司法書士に限られています。
認定司法書士とは、法務省の認定を受けている司法書士です。

認定司法書士は、債権額が140万円を超えないケースで、代理人となって相手方と交渉したり、簡易裁判所で訴訟を行ったりすることができます。

すなわち、認定司法書士に依頼できるのは、過払い金の額が140万円までのケースということになります。

専門家に依頼すればどれくらいの費用がかかる?

過払い金返還請求を弁護士・司法書士に依頼すると、業務開始時に着手金を、業務終了後に報酬金を支払う必要があります。

相場は、だいたい以下のようになっています。

  • 着手金:1件にき2万円前後
  • 報酬金:回収額の約20%

匿名でも専門家に相談できる?

過払い金があるけれど、名乗りたくないという場合、匿名で相談することもできます。

多くの弁護士・司法書士事務所では匿名での相談を受け付けていますから、実際に依頼するまでは本名を明かさずにすむこともあります。

なお、もし過払い金返還請求を専門家に依頼することになった場合、貸金業者との交渉はすべて弁護士・司法書士が代理で進めてくれますから、自宅に貸金業者からの書面が届くことは基本的にありません。

弁護士・司法書士からの電話連絡も自分の携帯にしてもらえるようお願いしておけば、借金をしていたことを家族に知られずに手続することもできます。

専門家に無料相談する方法

過払い金返還請求について弁護士や司法書士に相談するとなると、敷居が高く、費用の心配もあると思います。
下記を参考に、まずは無料相談できないか検討してみるのがおすすめです。

▶1.法テラス

弁護士に無料で法律相談ができるところとして、法テラス(日本司法支援センター)があります。

法テラスでは収入などの条件を満たせば、1つの問題につき3回まで無料で法律相談が受けられます。

法テラスでは、弁護士費用の立て替えもしてくれます。

▶2.初回無料相談を利用

弁護士事務所や司法書士事務所の中には、過払い金返還請求の相談は初回無料で受け付けてくれるところも多数あります。

電話での相談なら何度でも無料の場合もありますから、気軽に相談してみましょう。

悪質な弁護士に注意

過払い金返還請求をスムーズに進めるためには、専門家である弁護士や司法書士に依頼したほうがよいのですが、残念ながら一部には、その知識や職権を乱用する弁護士・司法書士もいるようです。

具体的なケースを紹介しましょう。

多重債務の放置

もっとも多いのがこのケースです。

複数社からお金を借りている方が過払い金請求を行う場合、すべての会社に対して過払い金が請求できるとは限りません。

本来であれば、過払い金請求できるところに請求し、返還された過払い金で、請求できなかったところの借金返済を行い、それでも残った借金の返済についての返済計画(債務整理)まで検討してくれるのが、まっとうな弁護士や司法書士の業務です。

しかし、悪質な弁護士は、過払い請求の部分までしか対応せず、その後の借金返済については放置してしまうのです。

その結果、なにも知らない依頼者は借金がなくなったと思い込んでしまい、いつの間にか残った借金の利息が膨らんでしまう、という不幸が起こってしまいます。

偽証による過払い金の着服

もっとも単純なケースがこれです。

例えば、過払い金が50万円返還されたのに、依頼者に「20万円戻ってきました」と説明して、30万円を懐に入れるわけです。

依頼者の多くは弁護士に頼り切っていますので、「ようやく20万円だけ戻ってきました」と言われると素直に信用してしまうものです。

依頼者の弱みにつけ込んだ悪質なものです。

返済ねつ造による過払い金の着服

着服に変わりないですが、依頼者の知識の無さを悪用したケースです。

過払い金が現金で返還された後、「まだ返済が残っているのでそれに充てます」といっていくらかを抜いて残りを依頼者に渡し、実際には懐に入れるというものです。

過払い金が現金で返還されたということは、払い過ぎていた利息を元本の返済に充てた上で余っている、つまり借金はゼロになっているはずです。

にもかかわらず「まだ返済が残っている」と言って着服するというのは、依頼者の信頼を裏切る非常に悪質な行為でしょう。

代表的な悪質弁護士の手口を幾つかご紹介しましたが、すべての交渉を弁護士に依頼する形になる依頼者側では、なかなか気づきにくいのが現状だと思います。

ただ、法律や契約上でのやりとりであり、そのすべてが書面で取り交わされますので、経過報告や合意内容などを書面でほしい旨、最初から依頼しておきましょう。

もし、そこで何かと理由を付けて書類を出さないようであれば、他の弁護士や司法書士を探したほうが無難です。

既に依頼してしまっていた場合、弁護士会や司法書士会に相談した方がよいかも知れません。

また、不当に高額な報酬を求めてくる場合もあるようですので、報酬についても初めにきちんと確認しましょう。

保証人も請求できる?

もし、債務者が返済不能に陥って、その保証人が返済をしてしまった場合でも、それが利息制限法を超える金額だった場合は、過払い金返還請求ができます。

過払い金が発生したタイミングによって

  1. 保証人だけに過払い金が発生していた場合
  2. 債務者と保証人の両方に過払い金が発生していた場合

があります。

1.保証人だけに過払い金が発生していた場合

例えば、実質年利率29.2%でお金を借りていたAさんが返済困難になって、保証人であるBさんに50万円の返済請求が来て、Bさんが返済したとします。

しかし、利息制限法の上限金利20.0%(法定金利)で借金を計算し直した結果、Aさんの過払い利息で元金の大部分が返済できて、Bさんに返済請求が回ってきた時点の借金が本当は5万円だったことがわかりました。

この場合、本当は5万円なのに50万円請求されて支払ったのですから、保証人のBさんに50万円から5万円を引いた45万円の過払い金が発生していることになります。

Bさんは、その分の過払い金の返還請求ができるわけです。

2.債務者と保証人に過払い金が発生していた場合

債務者が返済不能になって保証人に請求がきた時点で、すでに債務者に過払い金が発生していた場合です。

この場合、債務者、保証人双方とも過払い金請求を行うことになります。

例えば、債務者のAさんが50万円の借金を残して返済不能に陥り、保証人のBさんが肩代わりしたとします。

このとき、Aさんが返済不能になった時点ですでに過払い金20万円が発生していたとすると、Aさんは20万円分の過払い金請求を行い、Bさんは50万円の過払い金請求ができることになります。

▶請求できるのは過払い金が発生した本人のみ

過払い金返還請求を行うことができるのは、過払い金が発生した本人だけです。

債務者が保証人の分を、あるいは保証人が債務者の分を代わりに請求することはできないという点にご注意下さい。

また、債務者と保証人のどちらか一方だけでも過払い金請求できますので、何らかの事情でどちらかと連絡が取れない場合でも、自分の分の過払い金返還請求をすることはできます。

貸金業者側が「債務者(あるいは保証人)に連絡が取れないと手続きできません」と主張してきた場合は、弁護士に相談しましょう。

編集部まとめ

過払い金、もしかしたら自分にもあるかもと思いつつ手続が大変そうでためらってしまう方もいるかも知れません。

でも、迷っている間に時効になってしまっては勿体ない!
無料相談などもあるので、まずは電話してみましょう。

ただ、返済中の場合は、ブラックになる可能性もあることも覚えておいてくださいね。